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話題の「Obsidian」が別にいらない理由を徹底解説

2026年6月20日

「Obsidian(オブシディアン)というメモアプリが流行っているらしい。『第二の脳』と呼ばれていて、知識がどんどんつながって育つそうだ。うちの会社も、乗り遅れる前に入れた方がいいのだろうか」。最近、こうしたご相談をいただくことが増えました。

結論から言うと、多くの会社にとっては、急いで入れる必要はありません。Obsidian自体はよくできた道具です。ですので、これは道具の良し悪しの話ではありません。大事なのは「自社に合うか」で、合うかどうかは、流行っているかとは別のところで決まります。

この記事では、Obsidianに限らず「話題のツールを足すかどうか」を、その場の流行ではなく経営の目線で見分ける考え方を、整理してお伝えします。

まず自社の状況で考えたい方は、1分の無料セルフ診断で、どこに手作業が残っているかの目安を出すところから始められます。

結論「流行っているか」でなく「埋まっていない仕事があるか」で決める

新しいツールを入れるかどうかの判断は、本当はとてもシンプルです。いま、できていない仕事があるか。それを、今のやり方では埋められないか。 突き詰めれば、この2つだけです。

「話題だから」「同業も使っているから」は、判断の理由になりません。会社にとって道具は目的ではなく、仕事を片づけるための手段だからです。手段を増やすこと自体が目的になると、かえって現場が振り回されます。

ここが肝

ツールは手段。「流行っているか」ではなく「自社で回っていない仕事があるか」で決める。順番を逆にすると、使われない道具だけが増えていきます。

道具がやってくれる仕事は、突き詰めると4つしかない

情報やナレッジ(社内に貯まる知識や記録)を扱う道具の役割は、どれだけ種類があっても、突き詰めると次の4つに収まります。

情報・ナレッジ系の道具がやっている4つの仕事

  1. 1溜める文書・メモ・データを置いて保管しておく
  2. 2書く・直す文章を作り、編集する
  3. 3つなげる・探す関連づけて、あとで見つけ出す
  4. 4使う必要なときに引き出して、仕事に活かす

新しいツールを検討するときは、まず「この4つのうち、今どれが回っていないか」を見てください。多くの会社では、溜める・書く・探すは、すでに使っているツールで足りているはずです。

そこに新しい道具を足して、本当に上乗せされる価値があるのか。Obsidianを例に並べると、こう見えます。

道具がやる仕事すでに会社にあるもの(例)Obsidianが上乗せできること
溜める共有フォルダ・クラウドストレージほぼ同じ(置き場所が1つ増えるだけ)
書く・直すWord・Google ドキュメントほぼ同じ
つなげる・探すフォルダ分け・検索メモ同士を線でつなぐ独自の見せ方(ここが唯一の強み)
使う・共有するメール・チャット・共有リンク個人で使う前提(チーム共有は不得手)

つまりObsidianが他にない価値を出すのは、4つのうち「つなげる」の一点です。残りは、今ある道具と役割がほぼ重なります。

「流行っているから」で足すと、何が増えるか

ツールを1つ足すのは、機能が1つ増えるだけではありません。管理する場所が1つ増えるということです。表に出にくいコストが、静かに乗ってきます。

  • 同じ情報が複数のツールに散らばり、「どれが最新か」が分からなくなる(整合性)
  • バックアップ・端末間の同期・アクセス権を、また1つ分ふやす(同期と安全)
  • すでにある道具と役割がかぶり、社内で「どこに書けばいいか」が割れる(重複)
  • 社員が新しい使い方を覚える時間がかかる(教育)

導入の効果は目に見えても、この「増えた管理の手間」は毎日少しずつ積もります。流行を理由に足すと、効果より先にこのコストだけが残ることがあります。

入れる前の、3つの問い

どんな話題のツールでも、足す前にこの順番で確かめれば、判断を間違えにくくなります。

新しいツールを足す前の3つの問い

  1. 1いま、回っていない仕事はあるか4つの役割のうち、どれが詰まっているかを書き出す
  2. 2今ある道具の使い方では埋まらないか新しい道具より、既存ツールの整理が先のことは多い
  3. 3足して増えるコストに見合うか同期・整合性・重複・教育の手間を上回る価値があるか

この3つに「はい」が並んで、はじめて新しいツールの出番です。Obsidianでも、他のどんな話題のツールでも、見る順番は同じです。

では、どんな会社・人なら向くのか

Obsidianが力を発揮する場面は、はっきりしています。個人が、大量の知識を自分の頭の整理として、つなげながら育てたいときです。士業やコンサルタント、研究職のように、一人で深く考える知的生産には、強い味方になります。

一方で、向きにくいのはこんな場合です。

  • すでに共有フォルダやクラウドで、情報の共有がきちんと回っている
  • 一人ではなく、チームで共有し、状態(誰がどこまでやったか)を管理したい
  • これ以上、管理する道具を増やしたくない

Obsidianは基本的に「個人の道具」です。チームでの情報共有や進捗管理には、別の設計の道具のほうが向きます。良い悪いではなく、得意分野が違うということです。

よくある質問

Q. 流行っているなら、何か理由があるのでは? はい、Obsidianは個人の知的生産には本当に優れています。流行にはちゃんと理由があります。ただ「個人の思考が整理される理由」が、そのまま「会社の手作業が減る理由」になるとは限りません。自社のどの仕事の時間が実際に浮くのかを、流行とは切り離して確かめる必要があります。

Q. 同業が入れているのが気になります。 他社が使っていることは、自社に必要な理由にはなりません。会社ごとに、回っている仕事も詰まっている仕事も違います。他社の道具ではなく、自社の「埋まっていない仕事」を基準にしてください。

Q. では、何から考えればいい? ツールの名前から入らず、「いま、どの仕事に時間がムダに消えているか」から入ってください。そこが見つかれば、必要な道具は自然と絞られます。名前が先、ではなく、仕事が先です。


流行のツールに目を向けること自体は、悪いことではありません。ですが、入れること自体が目的になると、社員の時間は「道具を管理する仕事」に吸われていきます。本当の目的は、道具を増やすことではなく、社員が本来やるべき仕事に集中できることです。

新しい道具を足す前に、まず「いま、どこに手作業やムダが残っているか」を見つける。そこからのほうが、ずっと近道です。

1分の無料セルフ診断。5つの質問に答えるだけで、自社のどこに手作業が残っているかの目安が出ます。

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